しらないまち / HINTO
太陽光線 真っ黒に
焙煎されて 灰となった
無名の駅で座っている
7月
退屈なのに 笑ってたら
感じる言葉がなくなった
誰でもいいから話したかった
飛行機 雲たらしている
頼んでないのに 増えてゆく
大事なもので 息詰まった
レシートみたいに捨ててやる!
8月
君のシンパシー 勝ち得たくて
まくしたてた 暑い日の
汗が乾いてゆく
そして
しらないまちで出会った
アナタがまるで
知らない人みたいに笑うから
いつか この寂しき夏の日が
蘇る頃も
少しは楽しみになるのでしょう
ヘッドフォンからながれている
大好きだった 音楽が
経年変化で色あせちゃった
もう9月
青春感染 真っ青に
洗脳されて 立ち止まった
無名の猫がにらんでいる
路地裏
君のテレパシー 信じたくて
黙りこくった 暑い日の
汗が乾いて ゆく
そして
しらないまちで出会った
アナタがまるで
知らない人みたいに照れるから
5時のサイレンと赤トンボが
教える頃は
歩いてゆく事も
出来るのでしょう